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日々のエコアクション

第12回『レジ袋有料化は間違っている!?』

有料化から5年

レジ袋有料化から、この夏で5年が経過しました。
この間、レジ袋の消費量は大幅に減り、マイバッグの持参も広く定着した感がありますが、今も「レジ袋有料化は間違っているのでは?」という批判が散見されます。
実際のところ、どうなのでしょうか?
よく言われるポイントとしては、
「①買い物の利便性が失われる」
「②レジ袋はごみ袋として再利用できていたのに、ごみ袋をわざわざ買わなければならなくなり、無駄だ」
「③プラスチックごみの2%以下に過ぎないレジ袋だけを規制しても意味がない」などがあります。

レジ袋はあくまで「通過地点」

①については、希望者は1枚2~3円でレジ袋をもらうことができるので、買い物の利便性は失われません。
先進諸国では有料レジ袋が10円以上のケースも多く、日本のレジ袋はむしろ低価格すぎると言われます。
②については、すべてのレジ袋がごみ袋として再利用されていたわけではないこと、また、ごみの発生抑制の観点からは、「無料のレジ袋を使い放題」となるよりも、「わざわざ買った袋をなるべく無駄にしない」という図式になる方が望ましいとも言えます。
③については、レジ袋の削減は「ゴール」ではなく、「単なる通過地点」に過ぎません。

実際、諸外国ではレジ袋に続いて、プラスチック製のストローやカトラリーなどの使い捨てプラスチックが次々に規制されています。
言い換えれば、これからプラスチックを大幅に削減していかなければならない中、「いちばん簡単に減らせるレジ袋ごときを減らせないようでは、社会に未来がない」のです。
今後、より抜本的な対策が求められる中、使い捨てプラスチックの象徴的な存在であるレジ袋を「手始めに」規制できたことには、実際の数字以上の意味があるはずです。

京都サンガはレジ袋廃止

ちなみに、日本のレジ袋有料化は世界的に見るとかなり遅く、既に120か国以上が規制を導入した後でした。
諸外国には、「単に有料化」ではなく、レジ袋を「全面禁止」している国や地域も多数あります。
日本国内でも、京都の亀岡市が2021年からレジ袋を市内で全面禁止するという全国初の取り組みを実現させています。市内に本拠地を置くJリーグの京都サンガFCも、レジ袋の配布は有償無償問わずに対応していません。目立ったトラブルもなく定着してきているということですから、「やればできる!」という好事例です。
「使い放題」からの転換にはどうしても多少の不協和音は生じてしまいますが、未来の地球環境を守るために、みんなで気運を盛り上げていきたいですね。

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